Polaris
「青柳さん……いつも、京子さんのことを楽しそうに話されてました」
「そう、ですか……」
「何かあるたびに『昨日キョンキョンがこんな事を言ってたんだけど、可愛いでしょ?』なんて言って嬉しそうにしてました」
ずっと我慢していた涙が、溢れ出しそうになった。だけど、私はそれを必死に堪える。
「それは、俺がいなくなったらキョンキョンに渡してほしい、と言われて、頼まれていましたので……」
受け取った封筒に視線を移す。そして、ゆっくりと封を開けた。
中から出てきた三枚の紙を取り出すと、そこには少し歪んでいるような、若干力の入れ具合が違うような文字が並んでいる。
私は、一番手前にある紙から順に目を通し始めた────。