Polaris
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拝啓、世界で一番に愛する人へ
お元気ですか?……って、こういう堅苦しい文とか俺には似合わない気がするね。まあ、似合わないけど、少しだけ我慢して読んでよ。
ええっと……キミがこの手紙を読んでいるってことは、もう俺はキミのそばにはいないんだね。
何だか、すごく不思議な気持ちだなぁ。
悔しくて、切なくて、苦しくて、想像するだけでもう死んでしまいそうだよ。
ずっと、キミと一緒にいたい。ずっと、キミの側で笑うキミを見ていたい。俺の事を「バカ」と言って怒っているキミのことも見ていたい。
泣いているところは、辛いから見たくないけど……でも、キミの全部を、キミの一番側で見ていたいよ。
……でも、もしかすると、俺は早くこの世から去ったほうがいいのかもしれないね。
だって、今、俺のせいで……俺が生きてることで、キミは縛られているから。
ごめんね、本当に。
キミのことはたくさん傷つけて、苦しめて、とても不安にさせたと思う。それなのに……俺は、本当に幸せだった。
俺だけは、本当に、ただ無条件に幸せだったよ。
(幸せなのは俺だけなはずなのに、キミも、何度も幸せだと言ってくれていたよね。ありがとう)
最近、自分でご飯を食べることもままならなくて、よく好物のプリンをキミに食べさせてもらっているね。
こんな30過ぎたおじさんにご飯をあーんしてくれるなんて、本当にキミは優しすぎるよね。
俺は、そんなキミの優しさに毎日泣きそうなんだよ。実は。
こんなに優しくて、美人で、可愛い女の子を俺なんかが独り占めして……ダメだよね。本当にごめんね。