Polaris



────ボトッ。


大粒の涙が、手紙に落ちた。樹の書いた文字がだんだんと滲んでいった。

気がつけば視界が見えないほどに溢れていた涙は、もう、止まらないんじゃないかという勢いで流れ落ちていく。



「うっ……うわああああああ!」


今までに出したことがないくらい、大きく声を荒げた。

狂ったように涙を流し、声を出して泣く私を、周りの人はきっと見ている。だけど、そんなの分からないくらい苦しくて、辛くて、悲しい。

言葉なんかじゃ、とても表せない。こんな気持ち、受け止めきれない。


「うわあああっ……う、うっ」


苦しい。苦しくて、息ができない。


胸元を抑えて、乱れた呼吸を整えようと試みる。だけど、次から次へと感情が溢れ出してくる。


本当に、本当に、好きだった。大好きで、大好きで、大好きすぎるくらいに愛していた。

だから、悲しくて、苦しくて、辛くて、どうしようもない。


私は……これから、どうしたらいいの?

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