Polaris

声をあげて子供みたいに泣き続ける私の手から、三枚の手紙が落ちていった。

落ちた手紙を拾い上げようとすると、三枚目の手紙の裏の右下に何か書かれているのを見つけた。

私はそれを拾い上げ、次々と溢れでる涙を必死に拭った。明るくなった私の視界に入ってきたのは、樹の書いた下手くそなペンギンのイラストと〝笑って〟という一言のメッセージ。


「青柳さん、きっと笑顔の京子さんを見たがってると思いますよ」


そう言って、私の背中に手のひらを置いたナースさん。

私は、ぐっと必死に涙を堪えた。堪えて、なんとか笑おうとした。


「樹……手紙、ありがとう。字、ちゃんと綺麗に書けてるよ。えらい……頑張ったね」


笑顔で、手紙に書いてあったとおり、樹が頑張って文字を書いてくれたことを褒めた。


樹は、これをちゃんと空で聞いてくれているかな?

ちゃんと、届いてるのかな?


もし、そっちまで届いているのなら、もう一つだけ。



私は、最後まであなたの隣にいる事が出来て……貴方の人生で最後の好きな人でいる事ができて、とても幸せでした。


本当に、貴方に出会えてよかった。

私も、貴方のことを愛しています。













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