Polaris
「思ったよりも若かった……かも」
思ったことをそのまま呟いた。すると、そんな私の一言に、あははとイツキが笑い出した。
『何歳だと思ってたのさ。キョンキョンは、俺よりも下でしょ?』
「え、なんで?」
『だって、そんな感じする。いつも突っ張ってて、素直になれない。でも時々、抑えられなくて素直になっちゃう……みたいな。そんな可愛い感じ』
「は……はあっ⁉︎」
つい、大きくリアクションをとってしまった。これは私の悪いところだ。
イツキの言う『可愛い』なんて、冗談に決まっている。そう分かっているのに、どうも慣れなくて、こうして大きなリアクションをしてしまう。
「あのねぇ……そういう冗談やめてって何回も言ってる!だ、だいたい、いつ私がイツキに素直になったって言うのよ!それに、別に突っ張ってるつもりなんて無いんだから!」
『あはは。いやぁ……忘れたの? ついさっき弱音吐いたばっかりなのにさ』
「な……‼︎ そ、それは……」
別に素直になったつもりも弱音を吐いたつもりも無い、と言いたいところだけど……。