Polaris

『あれは紛れもなく弱音で、素直なキョンキョンだったよね』

「う……」


……悔しい。

悔しいけれど、イツキの言うとおりだ。あれは間違いなく私の弱音で、それから、本音だった。


『いいんだよ、別に。弱音くらい吐かなきゃ、やっていけないでしょ? つらくて、苦しくて、さ。ちょっと吐き出すだけでも、不思議と楽になる。そうでしょ? キョンキョンにはつらい思いして欲しくないからね。話聞くくらいなら俺にでも出来ることだし、いつでも話してよ』


せっかく止まっていたのに、また、頬に涙が伝った。私はそれをカーディガンの袖で拭い、また流れてきそうな涙を堪えていた。

すると『いつでもウェルカムだよ、素直なキョンキョン!』なんて言って、ふざけ始めたイツキ。

でも、そんなイツキの言葉にも反応できなくなるくらい、私はイツキの言葉に胸が熱くなっていた。


……熱い。痛い。苦しい。でも、すごく心地良い。

すごくぎゅっと胸が締め付けられる。熱くて、痛くて、苦しいはずなのに、とても心地よく感じるのは何故だろう。

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