Polaris
《そんなことより仕事8時からでしょ? 急がなくていいの? もう30分だけど》
時刻は、7時30分。
確かイツキは、毎朝7時35分頃に家を出ていると言っていた。
こんな事までしっているのに、会ったことがないなんておかしいと改めて感じてしまう。そんな事を思いながら、イツキから返ってきた返事を確認した。
《はーい。キョンキョンが冷たいから今日は頑張れそうにないけど行ってきまーす》
イツキから返ってきた返事と、その後で送られてきた泣いているクマのスタンプからは、拗ねているイツキが簡単に想像できる。
そんなイツキを少し愛おしく思いながら、指先を動かし、返事を送る。
《冷たくしてる覚えはないけど、頑張って。》
一見、あまりにも冷たいメッセージ。
これだけではイツキが更に拗ねてしまいそうで、私は仕方なく応援をしているような、可愛いウサギのスタンプを一緒に送り返した。