Polaris
第3章 《ごめん、会えない。……そして、さようなら》
◇ ◇ ◇
「────え? 北海道?」
街中にある、パンケーキ専門店にて。
フォークの先にある、ひと口大のパンケーキを口へ運ぼうとした詩織の手が止まった。
「うん、北海道」
「え? 何で急に北海道?」
毎年この時期になると、休みを合わせて国内旅行をするのがお決まりの私達。
今年はどこへ行こうかという話をするため、ここに来ていたのだが……私がつい北海道という案を出してしまったが故にこうなってしまった。
「今年はショッピングを主に楽しむって話じゃなかった?」
「あ……はは、そうだっけ?」
「そうだった。間違いなく。 ……まぁ、いいけど。北海道に何かあるの?」
「え? ええっと……ショッピングもいいけど、ゆっくりするのも良くない? それに、ほら、北海道って美味しいもの多いし!」
下手な言い訳と、適当な理由をズラズラと並べる私に、あからさまに不審な目を向ける詩織。