年の差400歳?!
「ただいま…。」
部屋は静寂に包まれていた。
あれ?
もしかしてもういないのかな…。
勝手に出て行ったとか?
私は買った服の入った袋を玄関に置き、部屋の奥へと走った。

部屋の奥には彼がいた。
彼はぐっすり寝ていた。
そうだよね、この状況を飲み込むのも、この時代を受け入れるのにも疲れたよね。
私も疲れたから。
私は寝ている彼をそのままにして、夕食の支度を始めた。

トントントントン、ゴトンっ。
料理をする音が響く。
彼を起こしてしまわないか心配で、いつもより時間がかかった。
なんでこんな気を遣ってるんだろう…
今日はお粥。
いつもはお粥なんて作らないし、食べない。
ただ、今日は彼にも食べて欲しかったから…。
彼はこっちにきてから水以外はろくに口にしていない。
理由は味が濃くてとてもじゃないけど口に入れられないみたいだからだ。
きっと今のようにたくさんの調味料があったわけじゃないからだろう。
今日はほとんど調味料を使わなかった。
私、食べられるかな。
でも、彼が食べてくれるならそれでもいい気がした。
< 20 / 65 >

この作品をシェア

pagetop