Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
『一つだけ言っといてやる。お前が現れなければソイツがそんな目に合う事はなかった』
「……っ」
『お前のせいだ』
あたしの、せい?
充くんがリンチされたのはあたしのせい……?
あたしの……。
「違う!!凛音のせいなんかじゃない!!元はと言えばお前等が充を利用したんだろうが!!っていうかゴチャゴチャ言ってねぇでさっさと抗争する場所言えよ!!」
「陽……」
拳を震わせながら携帯に向かって本気で怒っている陽。
携帯を見据えるその瞳は、普段の陽からは想像出来ない程激しく揺れ動いていた。
「陽……」
そんな陽を見て目頭がじわりと熱くなっていく。
あたしのせいではないと本気で怒ってくれている陽に胸中が温かい感情で満たされていく。
「そういう事だ。余計な事言ってねぇでさっさと場所言えよ。じゃねぇと後で痛ぇ目見るのはお前等だぜ?」
そう言った煌はチラリと此方に目を向け、意味ありげに笑う。
その表情に疑問が浮かび、視線を辿れば、
「──っ」
煌の視線の先には酷く冷酷な目をした十夜の横顔があった。