Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
目の前に居るのは確かに遥香さんの筈なのに、まるで十夜から直接言われているような感覚に陥って、次第に遥香さんの表情(カオ)があの時の十夜に見えてきた。
あの時の、何の色も映さない虚ろな瞳。
「帰って来た十夜は悩んで悩んで悩み抜いて。
けど、どれだけ考えてもやっぱり最後に行き着くのは凛音ちゃんと一緒に居たいという想いだけだった。
だから十夜は覚悟を決めたの。
凛音ちゃんと一緒に居る為なら、秘密も罪も一人で全て背負って行く事を」
「……っ、十夜……っ」
今なら非常階段での十夜の言葉がハッキリと理解出来る。
“真実を知って俺がどれだけ悩んだか、お前に分かるか?”
“お前の為に一度は離れようとした”
“鳳皇と獅鷹が争う所を見たくなくて、お前が真実を告げた事も分かってた”
“だけど、駄目だった。俺はお前を離してやれない”
“どれだけ時間が経っても俺の中からお前が消えない”
“全て俺のせいにしてもいい”
“お前の心が手に入るのなら、いくらでも俺を責めろ”
あの言葉は“嬉しい”の一言で片付けていい言葉なんかじゃなかった。十夜の想い全てが詰まってた。
あたしの為に悩んで、苦しんで、覚悟してくれてた。
「凛音ちゃん……」
「……っ」
込み上げる感情に抗う術はなくて。
嗚咽と共に涙がいくつも流れ落ちていく。
あの時の、何の色も映さない虚ろな瞳。
「帰って来た十夜は悩んで悩んで悩み抜いて。
けど、どれだけ考えてもやっぱり最後に行き着くのは凛音ちゃんと一緒に居たいという想いだけだった。
だから十夜は覚悟を決めたの。
凛音ちゃんと一緒に居る為なら、秘密も罪も一人で全て背負って行く事を」
「……っ、十夜……っ」
今なら非常階段での十夜の言葉がハッキリと理解出来る。
“真実を知って俺がどれだけ悩んだか、お前に分かるか?”
“お前の為に一度は離れようとした”
“鳳皇と獅鷹が争う所を見たくなくて、お前が真実を告げた事も分かってた”
“だけど、駄目だった。俺はお前を離してやれない”
“どれだけ時間が経っても俺の中からお前が消えない”
“全て俺のせいにしてもいい”
“お前の心が手に入るのなら、いくらでも俺を責めろ”
あの言葉は“嬉しい”の一言で片付けていい言葉なんかじゃなかった。十夜の想い全てが詰まってた。
あたしの為に悩んで、苦しんで、覚悟してくれてた。
「凛音ちゃん……」
「……っ」
込み上げる感情に抗う術はなくて。
嗚咽と共に涙がいくつも流れ落ちていく。