Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「十夜が全て話すと決めたのは、凛音ちゃんが優音くんと出て行った時。──そして、鳳皇幹部に話したのもあの日だった」
「………」
「翌日、凛音ちゃんの前に獅鷹幹部にも話そうと呼び出したんだけど、来たのは幹部じゃなくて凛音ちゃんと優音くんで。ホント、あの時はビックリしたんだよ?」
「……あは。あははは……」
今思えばあたし、結構無茶したよね。服なんてボロボロになっちゃったし。
ホント、この無鉄砲な性格どうにかしたい。
「ねぇ凛音ちゃん」
「へ?あ、はい!」
「………」
……ん?
改めて呼ばれて慌てて返事したものの、遥香さんからの返事はなく。
「どうしたんですか?」と問いかけてみれば、遥香さんは何かを決意したような表情であたしをジッと見つめてきた。
その意味深な表情にコクリと喉が鳴る。
「凛音ちゃんは、」
「……はい」
「十夜と離れない、よね?」
「……っ」
確認するようにそう聞かれて、思わず言葉が詰まってしまった。
だって、そんな事を聞かれるなんて思ってもいなかったから。
「遥香さ──」
「お願い、凛音ちゃん!これからも十夜の傍に居てあげて!十夜は凛音ちゃんが居ないと駄目なの!」
直ぐに否定しようとしたけど一足遅く、あたしよりも先に遥香さんが切迫した表情で詰め寄ってくる。
「……っ、は、遥香さん!」
「凛音ちゃんまで失ってしまったら──」
「遥香さん!!」
「……っ」