Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「十夜、遅いね。どう……え!?智広くんが!?」
嫌な予感程よく当たるとよく言うけど、何もこんな時に当たらなくても……って、こういう時だから当たるのか。
「遥香さん、智広がどうかしたんですか!?」
もう少しで合流なのに、とでも言いたげな表情の遥香さんに詰め寄っていく充くん。
「えっ、えっと……」
返答を求められた遥香さんはまだ状況が呑み込めていないらしく、しどろもどろになっている。
取り敢えず、状況を知らない事にはどうする事も出来ないから、遥香さんから携帯を受け取っていつものようにスピーカーホンにした。
『遥香?』
「十夜、皆に聞こえるようにスピーカーホンにした!何かあったの!?」
今のこの状況でチヒロの名前が出るって一体どういう事なんだろうか。
一体そっちで何があったの?
「十夜、本当なの?Dに攻撃されてるって」
「えっ!?」
「え!?」
不安げな顔でそう言った遥香さんに同時に驚愕の声を上げるあたしと充くん。
Dに攻撃されてるって、まさかチヒロが……?
「桐谷さん、攻撃って智広からですか!?」
充くんがこんなにも驚いてるという事は、充くんはチヒロから何も聞かされてなかったの?
充くんが此処へやって来た時、チヒロが上手い事してくれたって言ってたけど、それはチヒロが此処に侵入する為に上手くDを動かしてくれたって事で、その後協力してくれるかどうかは言ってなかった。