Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

「りっちゃんー!!大丈夫!?どこも痛くない!?良かった~」


く、苦しい……!


陽が飛び付いてきたと思ったら次は彼方が飛び付いてきて。


「彼方!苦しい!」
「死ぬ死ぬ!」


折角の感動の再会が一瞬にして消えてしまった。

けど、それがいつも通りって感じで何だか嬉しい。


馬鹿言い合って、騒いで。

そんな日常がまた帰ってくるんだと思ったら嬉しくて堪らない。


……っていうか、



「彼方こそ大丈夫なの!?」

「ん?何が?」

「頭!さっき思いっきり打ってたでしょ!?」



呼んでも返事出来ないぐらいだったのに、何で忘れてんの!?



「あぁ!大丈夫大丈夫!打った時はすっげぇ痛かったけど今はもう何ともないよ」

「そ……っか。それなら良かった」

「……っ、あー!やっぱりりっちゃん可愛いっ!!」

「ってぇ!彼方!突き飛ばすなよ!」



今の会話のどこでスイッチが入ったのか、陽からあたしを引き離してぎゅうぎゅうと抱き締めてくる彼方。


「ちょ、おも……っ」


頭のてっぺんをグリグリと頬擦りしてくるもんだから上からの圧が半端なく。引き離そうにも腕ごと抱き締められてるからそれも出来ない。


仕方なくされるがままになっていると……


「いてっ!ごめんってば!ちょっとぐらいいいだろ!!」


バシンッと、それはもう気持ちの良い音が頭上で響いた。
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