Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「凛音ちゃん」

「冬吾、くん……」

「心配したよ。無事に帰ってきて良かった」

「……っ、ごめ、ごめんね」



冬吾くんの言葉に、賛同するようにうんうんと頷いているメンバー達の目は、真実を知る前とちっとも変わらず優しくて。


「うぅ~」


その温かな眼差しにまた涙が溢れてくる。



「凛音ちゃんが白狼の事に関わってたって聞いた時は本当に驚いたんだから」

「……っ、ごめ──」

「でも、皆真実を知っても凛音ちゃんの事を嫌いになったりしなかったよ」

「……え?」

「凛音ちゃんが居なくなって心配してた」

「……っ」



──もう、謝罪の言葉も出てこなかった。


何も言わずに姿を消して、自分勝手に行動して。


皆に怒られても仕方ないことをいっぱいしたのに……。



「悪いと思ってるなら二度と俺達の前から消えないで」

「冬吾くん……」

「凛音ちゃんが居なくなったら寂しいよ」

「……っ、」



嬉しすぎるその言葉は、あたしの声さえも奪って。



「お前、泣きすぎ」

「だ、だっ……て……」


泣きすぎて鳴咽するあたしを、十夜が引き寄せてポンポンと頭を撫でてくれる。

嬉しいけど、こんな事されたら余計に泣いちゃうよ。
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