Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「じゃ、ごゆっくりー」

「………」


悪びれる様子もなく爽やかな笑顔を浮かべてリビングを去って行った壱さん。


背中に黒い羽根が見えるのは絶対気のせいなんかじゃない。


帰って来て早々見た堕天使壱さんにブルッと身震いしながら、そーっと洗面所の隣にある寝室へと移動する。


着替えを引っ張り出して、再び洗面所へ。


途中気になったから、そろっと十夜を後ろから覗くと、十夜は腕を組んだまま寝ていた。


それはもう、ずっと眺めていたくなる程可愛い寝顔で。


余りにも可愛かったから、お湯を溜めている間ずっと眺めていた。


いつもなら絶対目を開けるのに、今日は一度も目を開けない十夜サン。


そりゃそうだよね。今日は本当に色々あったから疲れてるに決まってる。


「……ごめんね、十夜」


ありがとう。来てくれて。


十夜に伝えたい事は山ほどある。

あとでいっぱい伝えよう。


ありがとうも、ごめんねも。


そして、“大好き”も。










「いつ風呂入るんだよ」

「へ!?」

「もしかして一緒に入りたいのか?」

「なっ……!?」
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