Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


「ねぇ、何かあるって何があるの?」



唯一隣に居る十夜にそう聞いてみるけど、手を握るだけで応えてくれなくて。


もしかして、この間から十夜の様子がおかしいのはその“何か”のせいだったりするのだろうか。



実は鳳皇に戻って来た翌日から、十夜はどこか落ち着かない様子で。話しかけても聞いてない時があったり、かと思ったら無表情でジッと見つめてきたりで、明らかに様子が変だった。


さっきもそうだ。

起きたと思ったらぼんやりして、喋ったと思ったら何故かキス。絶対におかしい。



「お前に頼みごとがあるんだよ」

「……頼みごと?」



何を言うのかと思えば“頼みごと”って……。
それが皆の言う“何か”なの?



「何?頼みごとって」


こんな勢揃いしてまであたしに頼みごとって一体なんだろう。


良い事?悪い事?皆さっきからニコニコしてて何だか嬉しそうだから良い事っぽい気がするけど……。

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