Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
幸せだなと思った。
こんな風に皆と騒げる日が来るなんて五日前のあたしは想像すらしてなかったから。
あの時のあたしはただ夢中だった。
十夜の為に役に立ちたい。鳳皇の為に何とかしてDを捕らえたい。
頭の中にはそれしかなくて。心配している十夜の気持ちなんて全然考えてなかった。
いつもそうだ。感情のまま動いていつも心配ばかりかけてしまう。
それなのに、十夜はそんな問題児のあたしを怒りもせずに助けに来てくれた。
あたしが今此処にいるのは、十夜が迎えに来てくれたおかげ。
ずっとずっとあたしのことを思ってくれたから、あたしは今こんなにも幸せなんだ。
「俺だけじゃねぇよ」
「え?」
突然そう投げ掛けられて、視線を十夜へと戻すと、見上げた十夜はあたしではなく皆を見つめていた。
「俺だけが認めたんじゃねぇ。アイツ等も認めてる。だからお前は戻って来られたんだろ」
「……うん」
そうだね。十夜の言う通りだ。皆が認めてくれたからあたしは鳳皇に戻って来られた。
「お前、分かってねぇだろ」
「え?」
何が?
「アイツ等がお前の事を認めたのは俺が頼んだからじゃねぇ。お前を鳳凰妃にと望んだ時からアイツ等はお前の事を認めてたんだ」
「……っ」
「アイツ等は真実を知っても揺らがなかった。俺がお前を迎えに行かなかったらアイツ等は自分達だけでもお前を迎えに行ってた筈だ」