Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


もう、頷く事も出来なかった。


涙を堪えるのが精一杯で、……ううん。息をするのも精一杯で。

こんな所で泣く訳にはいかないと必死に我慢する。


「……っ、」


けど、どうやってもやっぱり我慢出来なくて、嗚咽と共にポロポロと涙が零れ落ちた。


「ぅ、……っ、」


俯いたあたしを、皆から隠すように抱き締めてくれる十夜。

声を押し殺しながら力一杯十夜を抱き締めると、落ち着かせるように優しく背中を撫でてくれる。



「お前にはアイツ等がついてる」

「……うん」

「俺も兄貴達もいる」

「……っ、うん」

「だから心配すんな」

「っ」

「お前の事は俺が一生護ってやる」

「……十夜っ」






十夜は絶対に分かってない。

その言葉がどれだけあたしを安心させるかって事を。──どれだけあたしを喜ばせるのかって事を、十夜は全然分かってない。


その言葉があるだけであたしは自信が持てる。強くなれる。──生きて、いける。


十夜が傍にいてくれるだけで幸せになれるんだ。







「ずっと……ずっと一緒にいようね、十夜」


「……あぁ」




あたし達はもう絶対に離れない。



何があっても、永遠に。

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