Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】


ってなに言ってんの、あたし。


はぁ……チョコ食べよう。


なんだか恥ずかしくなってきて、手前にあったチョコレートを一粒、口の中に放り込んだ。


さっきはすっごく甘く感じたのに、なんでだろう。変に緊張してるせいかさっきより甘く感じない。


もう一個食べよ。


そう思ってお皿に手を伸ばしたら、その手は横から伸びてきた十夜の手によって遮られてしまった。

掴まれた手を軽く引かれて、その勢いのままソファーへと倒される。


「とぉ──」

「誰も居ねぇからいいだろ」

「っ」


十夜がそう言ったのと口が塞がれたのはほぼ同時で。

口の中にはもうチョコなんてないのに、まるでチョコが存在しているかのように十夜の舌先が口内を探った。


「もう、チョコ、ないっ、てば……」


そう言ってるのに、十夜はなかなか止めてくれない。

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