10年前の約束。
「すげーよくなったな。
最初はあんな下手くそだったのに。」
「最初なんてあんなもんでしょ!
買ったばかりだったし。」
「曲決めんのおせーけどな。」
「それはなにも言えません。」
「凛音は金賞目指してんの?」
「やるからにはね。」
「ま、そうだよな。
そうだ、これやる。」
「………ネックレス?
でもこれ子供のでしょ。」
「俺のお守り。」
「ふーん…?」
「本番ではつけられねーけどな。
タオルと一緒にピアノんとこ置いとけ。」
「うん、わかった。」
お守り、ねぇ…。