10年前の約束。
そしてコンクール当日。
「凛音、緊張すんなよ。」
今はホールにて最終練習。
一人15分間与えられているんだ。
「う、うん。」
「はは、緊張しすぎ。」
え……優希が声出して笑った。
……………遠くで表情見えなかった!!
悔しい。
「じゃあ弾けよ。
課題曲はその緊張感保てよ。
自由曲は楽しめ。忘れんなよ。」
「うん。」
優希は審査員の席に座り、私のピアノを聴いた。
「最後のとこ、もう少し強くていい。
ここまで響かせろ。」
「うん。」
短い時間だけど、優希が的確に指示してくれるおかげで
短時間でもすぐに修正できる。