10年前の約束。



ふー、落ち着け、私。

準備を終えた頃にはコンクールはすでに始まっていた。


私は優希のお守りを握りしめて心を落ち着かせた。


………大丈夫、大丈夫。


私は最後に譜面を確認した。



……………あれ…

そこには優希の字で

"楽しんで弾けよ。"

と書かれていた。


楽しむ、楽しむ、うん。



私は優希のお守りを握りしめていた。


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