10年前の約束。
先生をお願いします。
……………ん?
誰かピアノ弾いてる?
すごい上手……。
……………いや、レコードか。
休み時間なのに?
私は開いていた音楽室のドアから中を覗いた。
「……………葉山くん?」
来てたの?
「……………なんだよ、お前か。」
「葉山くん何してんの?」
「サボり。お前は?」
「まぁ私もそうだけど……。
ってかピアノとか聴くんだね。」
「……………わりーかよ。」
「悪くはないけど意外。
ってか思いっきり邪魔するんだけど
私、ピアノ弾いていい?」
「むり。」
……………ですよね。
「でも弾きたいし。
聴きたくないなら出てって。」
「は?お前が出てけよ。」
「ピアノはここしかないから。」
そう言って私はピアノの前に座ってピアノを弾いた。