10年前の約束。



「6時には終わるんだろ?

最後に課題曲通して終わり。」


「はーい。」


私は最初から最後まで弾いた。



たった2週間。

たった2週間でここまで上達したのは

絶対に優希のおかげなんだ。



「課題曲はほとんどいいな。」


「ほんと!?」


「あぁ。凛音は覚えんのがはえーからな。」


そう言って微笑む優希に

私の胸が高鳴った。


……………そんな顔もできるんじゃん。


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