ぬいぐるみ
エピローグ
「ピー・・・・・」

「真理子・・・・?真理子!!!!!!」


不愉快な機会音と、お母さんの絶望に満ちた声が聞こえる・・・・。そして、真理子は死んだ・・・。
真理子が交通事故にあってから既に2時間。塾の帰りに真理子は車に引かれた。真理子は何故かくまのぬいぐるみを固く抱き締めていたらしい。手術中も離すことなく。


陸さんと私は・・・・・姉の葬儀場でただただ立ち尽くすことしかできなかった。姉は私を憎んでいたはず。いつも姉がひどいことをされても私は助けなかったから・・・・いや、助けられなかったから・・・・。
だから・・・だからこんな形で死んでしまった姉に・・・・私は何の言葉も交わせなかった。
今年の誕生日に・・・・私は真理子に謝ろうと決めていたのに・・・それも許されなかった・・。




 真理子・・・いいえ・・・お姉ちゃん。ごめんなさい。ごめんなさい。こんな妹を許してください・・・・。何にも出来ない馬鹿な妹を・・・・・ごめんなさい・・・・・。ごめんなさい!!!!


その時一瞬だけど、本当に一瞬だけど・・・優しい声でお姉ちゃんが『ありがとう』といった。


それはとても小さいけれど、優しい声だった・・・・。
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