俺様黒王子とニセ恋!?契約
憧れの人をお持ち帰りしました
社会人になって四年目。
二十六歳の誕生日を迎えてから、一ヵ月と一日が経過したその夜。
生まれて初めて、男の人を持ち帰って来てしまいました――。
タクシーを降りた後、エレベーターも廊下もヨレヨレになって蛇行しながら、ようやく辿り着いた一人暮らしの我が家。
ワンルームの部屋は狭いけれど、ドアを開けてすぐベッドが視界に飛び込んできてくれる。
この狭さをこんなにもありがたいと思ったことはない。
玄関先の段差でなだれ込みそうになりながらも、私は最後の数メートルをなんとか歩ききり、ずっと肩から被るように担いで来たその大荷物をドサッとベッドの上に下ろした。
これぞまさに、肩の荷が下りた瞬間。
お腹の底から深い息を吐きながら額に浮かんだ汗を拭って、ベッドの上の大荷物……持ち帰って来てしまった彼をぼんやり見つめた。
――まだ信じられない。
夢でも見てるのかな、と、私は無意識に自分の頬をつねってみた。
彼ほどではないけど、私も少しだけ酔っている。
アルコールのせいで麻痺しているのかも知れないけど、あまり痛みは感じなかった。
そうだ。やっぱり夢に違いない。
だって、こんなのありえないんだから。
二十六歳の誕生日を迎えてから、一ヵ月と一日が経過したその夜。
生まれて初めて、男の人を持ち帰って来てしまいました――。
タクシーを降りた後、エレベーターも廊下もヨレヨレになって蛇行しながら、ようやく辿り着いた一人暮らしの我が家。
ワンルームの部屋は狭いけれど、ドアを開けてすぐベッドが視界に飛び込んできてくれる。
この狭さをこんなにもありがたいと思ったことはない。
玄関先の段差でなだれ込みそうになりながらも、私は最後の数メートルをなんとか歩ききり、ずっと肩から被るように担いで来たその大荷物をドサッとベッドの上に下ろした。
これぞまさに、肩の荷が下りた瞬間。
お腹の底から深い息を吐きながら額に浮かんだ汗を拭って、ベッドの上の大荷物……持ち帰って来てしまった彼をぼんやり見つめた。
――まだ信じられない。
夢でも見てるのかな、と、私は無意識に自分の頬をつねってみた。
彼ほどではないけど、私も少しだけ酔っている。
アルコールのせいで麻痺しているのかも知れないけど、あまり痛みは感じなかった。
そうだ。やっぱり夢に違いない。
だって、こんなのありえないんだから。