俺様黒王子とニセ恋!?契約
「う、うん……」
淡い思い出が蘇る。
照れ臭くて思わず顔を俯けると、突如、篤樹が勢い込んだ。
「言っとくけど、俺も思い出したのは昨日だ。なんのつもりか知らないが、あんな『まんま』再現されりゃ、そんなことがあったことくらい思い出す」
「そんな。私別に、再現したつもりじゃ……」
「俺は今まで澪のことなんか忘れてたし、もちろん全然気にしてなかった。だから勘違いするな。断じて言うが、俺がお前のこと好きだったとか、絶対にないから」
まるでマシンガンのように一方的に言われて、言葉どうこうじゃなくて、その勢いにのみ込まれる。
「あ、篤樹……」
「当然だろ。百歩譲って心に残ってたとしても、それなら俺は自分で探した。いつか会える……なんて呑気にその日を待つような男じゃない」
「それはもちろんわかるけど……あの、篤樹」
私がなんとか口を挟むと、篤樹はハアッと身体全体で大きな息を吐いた。
「ったく……カッコつけて澪の前で源氏物語なんか話さなきゃよかった。あの時はつい名前で記憶が蘇って……」
「あの、篤樹。心配しなくても、篤樹が私のこと好きだなんて、これっぽっちも思ってないよ?」
完全に自分のペースで独走態勢に入る篤樹を、私はそう言って辛うじて止めた。
途端に、え?と目を丸くして聞き返される。
「静川さんも、そんなこと言ってない。ただ、篤樹の好みのタイプは控え目な人で、私みたいに告白して言い逃げするような子って教えてくれただけで……」
「……は?」
「だから、そんなムキにならなくても、自惚れたりしないよ」
淡い思い出が蘇る。
照れ臭くて思わず顔を俯けると、突如、篤樹が勢い込んだ。
「言っとくけど、俺も思い出したのは昨日だ。なんのつもりか知らないが、あんな『まんま』再現されりゃ、そんなことがあったことくらい思い出す」
「そんな。私別に、再現したつもりじゃ……」
「俺は今まで澪のことなんか忘れてたし、もちろん全然気にしてなかった。だから勘違いするな。断じて言うが、俺がお前のこと好きだったとか、絶対にないから」
まるでマシンガンのように一方的に言われて、言葉どうこうじゃなくて、その勢いにのみ込まれる。
「あ、篤樹……」
「当然だろ。百歩譲って心に残ってたとしても、それなら俺は自分で探した。いつか会える……なんて呑気にその日を待つような男じゃない」
「それはもちろんわかるけど……あの、篤樹」
私がなんとか口を挟むと、篤樹はハアッと身体全体で大きな息を吐いた。
「ったく……カッコつけて澪の前で源氏物語なんか話さなきゃよかった。あの時はつい名前で記憶が蘇って……」
「あの、篤樹。心配しなくても、篤樹が私のこと好きだなんて、これっぽっちも思ってないよ?」
完全に自分のペースで独走態勢に入る篤樹を、私はそう言って辛うじて止めた。
途端に、え?と目を丸くして聞き返される。
「静川さんも、そんなこと言ってない。ただ、篤樹の好みのタイプは控え目な人で、私みたいに告白して言い逃げするような子って教えてくれただけで……」
「……は?」
「だから、そんなムキにならなくても、自惚れたりしないよ」