俺様黒王子とニセ恋!?契約
そこから工場までは、夜中のせいか道も空いていて、スムーズに走ることが出来た。
仙台市内の郊外に位置する広大な自社工場の敷地に入ると、奥まった倉庫まで直接車を乗り付ける。
日付けの変わった時間帯。
工場は閑散としていて照明も落ちて薄暗かったけれど、倉庫は私たちを待ち構えるように煌々と電気が灯っていた。
車を停めて、金子さんに声を掛ける。
すぐに目を開けた金子さんと共に外に出ると、私たちを待っていてくれた工場側の職員が外に出て来てくれた。
こんな事態に巻き込んだことを謝罪しようと頭を下げかけた瞬間……。
「え……?」
私は思わず自分の目を疑った。
作業服姿の工場職員と一緒に、スーツ姿の篤樹が私たちの方に歩いて来たからだ。
「あつ……片桐さん……?」
呆然と呼びかけると、篤樹は私にチラッと視線を向けただけで、金子さんに向き合った。
「搬出準備は整ってます。さっさと終わらせましょう」
「悪いな」
「いえ。俺の出先も青森でしたから。……近くて良かった」
私にはこの状況がいまいちよく掴めない。
だけど金子さんは全部想定内のようだった。
私が呆然としている間に、男性三人の手で、いくつもの段ボールが社用車に積み込まれる。
ハッと我に返って手伝おうとすると、篤樹の腕に制された。
仙台市内の郊外に位置する広大な自社工場の敷地に入ると、奥まった倉庫まで直接車を乗り付ける。
日付けの変わった時間帯。
工場は閑散としていて照明も落ちて薄暗かったけれど、倉庫は私たちを待ち構えるように煌々と電気が灯っていた。
車を停めて、金子さんに声を掛ける。
すぐに目を開けた金子さんと共に外に出ると、私たちを待っていてくれた工場側の職員が外に出て来てくれた。
こんな事態に巻き込んだことを謝罪しようと頭を下げかけた瞬間……。
「え……?」
私は思わず自分の目を疑った。
作業服姿の工場職員と一緒に、スーツ姿の篤樹が私たちの方に歩いて来たからだ。
「あつ……片桐さん……?」
呆然と呼びかけると、篤樹は私にチラッと視線を向けただけで、金子さんに向き合った。
「搬出準備は整ってます。さっさと終わらせましょう」
「悪いな」
「いえ。俺の出先も青森でしたから。……近くて良かった」
私にはこの状況がいまいちよく掴めない。
だけど金子さんは全部想定内のようだった。
私が呆然としている間に、男性三人の手で、いくつもの段ボールが社用車に積み込まれる。
ハッと我に返って手伝おうとすると、篤樹の腕に制された。