俺様黒王子とニセ恋!?契約
なんで、こんな肝心な時に……。
自分で思う以上に体力を失っていることに気付いて、心にジワジワと焦りが広がる。
「だから寝てろって」
篤樹は溜め息混じりにそう言って、ヒョイっと私を横抱きにした。
ふわっと抱き上げられて、驚きのあまり、ひゃあっ!と変な悲鳴を上げてしまう。
ギシッと、篤樹がベッドに片膝を乗せる。
そして私を再びベッドに横たわらせると、私の身体を腕で囲い込むように手を突いた。
「無理して頑張るな。倒れられるのが一番困る」
まっすぐ私に降り注ぐ篤樹の真剣な瞳に、ドクンと鼓動が高鳴るのを感じた。
反論したいのに、吸い込まれそうな茶色い瞳に晒されて、言葉が声にならない。
ただ黙って見上げる私に、篤樹もわずかに表情を和らげた。
そして、信じられないくらい優しい仕草で私の額の髪を掻き上げてくれる。
「……頑張るのが俺の為なら、十分だから」
ボソッとそう呟くと、篤樹はベッドをギシッと軋ませて、トンと床に足を下ろした。
ドキドキと加速する鼓動のせいで、頬がカッと熱くなる。
私は布団をグッと持ち上げて顔半分を隠しながら、慣れた手付きでネクタイを結び、身支度を整える篤樹を見つめる。
篤樹だって疲れているはずなのに。
私以上に気怠い朝を迎えたはずなのに。
最後の最後で体調を崩してる自分が情けない。
それなのに、十分だなんて言われたら。
自分で思う以上に体力を失っていることに気付いて、心にジワジワと焦りが広がる。
「だから寝てろって」
篤樹は溜め息混じりにそう言って、ヒョイっと私を横抱きにした。
ふわっと抱き上げられて、驚きのあまり、ひゃあっ!と変な悲鳴を上げてしまう。
ギシッと、篤樹がベッドに片膝を乗せる。
そして私を再びベッドに横たわらせると、私の身体を腕で囲い込むように手を突いた。
「無理して頑張るな。倒れられるのが一番困る」
まっすぐ私に降り注ぐ篤樹の真剣な瞳に、ドクンと鼓動が高鳴るのを感じた。
反論したいのに、吸い込まれそうな茶色い瞳に晒されて、言葉が声にならない。
ただ黙って見上げる私に、篤樹もわずかに表情を和らげた。
そして、信じられないくらい優しい仕草で私の額の髪を掻き上げてくれる。
「……頑張るのが俺の為なら、十分だから」
ボソッとそう呟くと、篤樹はベッドをギシッと軋ませて、トンと床に足を下ろした。
ドキドキと加速する鼓動のせいで、頬がカッと熱くなる。
私は布団をグッと持ち上げて顔半分を隠しながら、慣れた手付きでネクタイを結び、身支度を整える篤樹を見つめる。
篤樹だって疲れているはずなのに。
私以上に気怠い朝を迎えたはずなのに。
最後の最後で体調を崩してる自分が情けない。
それなのに、十分だなんて言われたら。