俺様黒王子とニセ恋!?契約
芝居がかったリアクションで大きく腕を広げて見せる。
そこにはツリー状に積み上げる為のサンプルの段ボールが、十分な量、積み重なっていた。
それを見て、私も心からホッとする。
「今日はゆっくりしてくれて良かったのに」
「いえ。本当に、金子さんと片桐さんのおかげで、もうすっかり良くなりましたから」
ギュッと拳を握って笑って見せると、ふ~ん?と金子さんは鼻を鳴らして、なんだか意味深に私を見つめる。
「俺じゃなくて、片桐のおかげだな」
「え? どうして……」
「だって、昨夜工場に先回りして四宮さんを東京に連れて帰るって提案してくれたの、片桐だから」
それを聞いて、私は戸惑いながら目を丸くする。
金子さんは私の反応に一人で満足しながら、楽しそうに肩を揺らして笑った。
「俺は、片桐には東京に戻ってもらって、こっちで搬入手伝わせようと思ってたんだけど。橋本さんから事情を聞かされた片桐が、俺の留守電にメッセージ入れてくれてたんだ」
「え……?」
「『四宮さんの体調が心配だから、俺も工場に直行してそこから彼女をピックアップします』って。こっちには他のメンバーも手配してくれたおかげで、段取りもスムーズだった」
「そ、そうだったんですか……」
だから昨夜工場で篤樹を見ても、金子さんは驚かなかったんだ……。
そう納得しながらも、私が知らないところで篤樹が気遣ってくれたことが嬉しくて、ジーンとしてしまう。
そこにはツリー状に積み上げる為のサンプルの段ボールが、十分な量、積み重なっていた。
それを見て、私も心からホッとする。
「今日はゆっくりしてくれて良かったのに」
「いえ。本当に、金子さんと片桐さんのおかげで、もうすっかり良くなりましたから」
ギュッと拳を握って笑って見せると、ふ~ん?と金子さんは鼻を鳴らして、なんだか意味深に私を見つめる。
「俺じゃなくて、片桐のおかげだな」
「え? どうして……」
「だって、昨夜工場に先回りして四宮さんを東京に連れて帰るって提案してくれたの、片桐だから」
それを聞いて、私は戸惑いながら目を丸くする。
金子さんは私の反応に一人で満足しながら、楽しそうに肩を揺らして笑った。
「俺は、片桐には東京に戻ってもらって、こっちで搬入手伝わせようと思ってたんだけど。橋本さんから事情を聞かされた片桐が、俺の留守電にメッセージ入れてくれてたんだ」
「え……?」
「『四宮さんの体調が心配だから、俺も工場に直行してそこから彼女をピックアップします』って。こっちには他のメンバーも手配してくれたおかげで、段取りもスムーズだった」
「そ、そうだったんですか……」
だから昨夜工場で篤樹を見ても、金子さんは驚かなかったんだ……。
そう納得しながらも、私が知らないところで篤樹が気遣ってくれたことが嬉しくて、ジーンとしてしまう。