俺様黒王子とニセ恋!?契約
「逢いたかったのは、俺も同じだ」
「……え……?」
「……ほんと。こんなつもりじゃなかったんだけどなあ……」
そう言って微かに唇をへの字に結ぶと、篤樹はグッと私の腕を引いた。
虚を突かれて彼の力に引き込まれるまま、私は篤樹の胸に顔を埋めてしまう。
息をのむ私の頭上で、篤樹が小さく息を吐いた。
そして。
「……ストーブなんかより、この方があったかいな」
そんな言葉を、吐息混じりで私の耳元に囁く。
鼓動が臨界点を越えて高鳴る。
息苦しくなって、私は篤樹の胸に手を突いて身体を離した。
「あ、篤樹っ」
耳まで真っ赤になるのを感じながら、俯いて声を張る。
『湯たんぽ』の私が逃げたせいか、ほんのちょっと不機嫌そうに眉を寄せる篤樹の視線を感じながら、私は篤樹と距離を置いて、彼を見上げた。
「わ、私。ここでちゃんと伝えたかったの」
肩を強張らせてそう言うと、篤樹がわずかに目を細めた。
まっすぐに向けられる視線に晒されて、私の鼓動は高鳴るばかりだ。
こんな鼓動の高鳴りを、私はいつも、ここで経験した。
初めて篤樹に告白した高校生の時。
募る想いに突き動かされて、言わずにはいられなかった二度目。
そして、三度目の今――。
「篤樹、私……」
「澪、好きだ」
「……え?」
いきなり想いを遮られて、私は目を丸くする。
そのまま、呆然と、篤樹を凝視した。
「……え……?」
「……ほんと。こんなつもりじゃなかったんだけどなあ……」
そう言って微かに唇をへの字に結ぶと、篤樹はグッと私の腕を引いた。
虚を突かれて彼の力に引き込まれるまま、私は篤樹の胸に顔を埋めてしまう。
息をのむ私の頭上で、篤樹が小さく息を吐いた。
そして。
「……ストーブなんかより、この方があったかいな」
そんな言葉を、吐息混じりで私の耳元に囁く。
鼓動が臨界点を越えて高鳴る。
息苦しくなって、私は篤樹の胸に手を突いて身体を離した。
「あ、篤樹っ」
耳まで真っ赤になるのを感じながら、俯いて声を張る。
『湯たんぽ』の私が逃げたせいか、ほんのちょっと不機嫌そうに眉を寄せる篤樹の視線を感じながら、私は篤樹と距離を置いて、彼を見上げた。
「わ、私。ここでちゃんと伝えたかったの」
肩を強張らせてそう言うと、篤樹がわずかに目を細めた。
まっすぐに向けられる視線に晒されて、私の鼓動は高鳴るばかりだ。
こんな鼓動の高鳴りを、私はいつも、ここで経験した。
初めて篤樹に告白した高校生の時。
募る想いに突き動かされて、言わずにはいられなかった二度目。
そして、三度目の今――。
「篤樹、私……」
「澪、好きだ」
「……え?」
いきなり想いを遮られて、私は目を丸くする。
そのまま、呆然と、篤樹を凝視した。