俺様黒王子とニセ恋!?契約
「本気になりそうだったから、無理矢理関係終わらせて突き放そうとしたのに。……お前、逃げずにぶつかって来るから……」
「あ、篤樹……」
「……完全、堕ちた」
そんな一言を放って、篤樹は背けた顔を大きな右手で覆い隠す。
きっと、隠し切れない頬や耳が赤いのも、この冷たい空気のせいじゃない。
「篤樹……」
思わず私も彼を呼ぶ自分の口を両手で覆った。
信じられない。
こんなこと、本当にあるんだろうか。
あんなに焦がれるだけだった篤樹が。
みんなの憧れの的だった篤樹が……。
何も言えない私を、篤樹は顔を隠す手を離して、まっすぐ見つめる。
「……だからお前も覚悟しろ。社内だろうがなんだろうが、逃がさないからな」
そう言って、篤樹はぎゅうっと私を抱きしめた。
思わず息をのむ私の耳元に顔を埋めて、彼は小さな冷たい吐息を漏らす。
心が大きく揺さぶられる。
あんなに恋い焦がれた篤樹が、今私と同じように心を震わせて、私を好きだって言ってくれる。
すれ違い続けた心が重なって一つになる。
今、確かに私と篤樹の心は同じ方向を向いていて、そして、共鳴し合っていた。
「逃げない。……逃げるわけないでしょ」
「あ、篤樹……」
「……完全、堕ちた」
そんな一言を放って、篤樹は背けた顔を大きな右手で覆い隠す。
きっと、隠し切れない頬や耳が赤いのも、この冷たい空気のせいじゃない。
「篤樹……」
思わず私も彼を呼ぶ自分の口を両手で覆った。
信じられない。
こんなこと、本当にあるんだろうか。
あんなに焦がれるだけだった篤樹が。
みんなの憧れの的だった篤樹が……。
何も言えない私を、篤樹は顔を隠す手を離して、まっすぐ見つめる。
「……だからお前も覚悟しろ。社内だろうがなんだろうが、逃がさないからな」
そう言って、篤樹はぎゅうっと私を抱きしめた。
思わず息をのむ私の耳元に顔を埋めて、彼は小さな冷たい吐息を漏らす。
心が大きく揺さぶられる。
あんなに恋い焦がれた篤樹が、今私と同じように心を震わせて、私を好きだって言ってくれる。
すれ違い続けた心が重なって一つになる。
今、確かに私と篤樹の心は同じ方向を向いていて、そして、共鳴し合っていた。
「逃げない。……逃げるわけないでしょ」