俺様黒王子とニセ恋!?契約
「俺は多分、澪に逃げられたら、追いかける。逃がしてやれない」


そんなことを呟きながら、篤樹が私の身体に手を這わせる。


「っ、はっ……」


ビクンビクンと身体が震える。
与えられる目まぐるしいほどの刺激に目尻に涙が浮かんだ時、篤樹がジッと私を見つめた。


「……こんなの、初めてだ」


自分でも戸惑うようにそう呟く篤樹に、胸がキュンと締め付けられる。
ドキドキと高鳴る鼓動を抑えて、私は篤樹の身体に腕を回して、そっと抱き寄せる。


「篤樹……。愛してる」


自分でも驚くような言葉が口を突いた。
言った私と同じように驚きに目を丸くした篤樹が、ジッと私を食い入るように見つめて来る。
そんな視線が恥ずかしくて、私は真っ赤になった顔を背ける。


「見ないで。恥ずかしい……」


消え入るような声で呟くと、上から吐息と共に笑い声が聞こえて来た。


「……その言葉、俺には逆効果だから」

「えっ……」

「もっと恥ずかしくさせてやる」


どこまでも不敵な口調で、篤樹は私の身体に体重を預けて来た。
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