俺様黒王子とニセ恋!?契約
ドキドキを通り越して、ドッドッと早鐘のように打ち鳴る鼓動を必死に抑えて、私は道場から出て来た彼を、決死の覚悟で呼び止めた。
『篤樹先輩っ……!!』
え?という形で唇を動かして、制服姿の彼が一度通り過ぎた私を振り返ってくれた。
いつも人垣の向こうか、ほんのたまにすれ違う時しかはっきり目にすることが出来なかった彼が、この瞬間は私だけを見てくれている。
そう思ったら、どうしようもなく浮足立って、舞い上がった。
『す、好きですっ!!』
だから、超一方的な告白しか出来なかった。
またしても、え?と目を丸くする彼に、名乗ることも出来ないままクッキーの包みを一方的に押し付けた。
『えっ? ちょっと、君……?』
彼がわずかに戸惑いながら私にそう声をかけてくれた。
それだけで、もう緊張は臨界点を突き抜けた。
その時。
『篤樹、お待たせ~』
聞き覚えのある元部長さんの声が道場の中から聞こえて来て、ドッキ~ンと鼓動のリズムが狂った。
反射的にクルッと背を向けて、逃げ出していた。
『あ、君っ……!!』
彼が呼び止める声に、振り向くことも出来ないまま……。
『篤樹先輩っ……!!』
え?という形で唇を動かして、制服姿の彼が一度通り過ぎた私を振り返ってくれた。
いつも人垣の向こうか、ほんのたまにすれ違う時しかはっきり目にすることが出来なかった彼が、この瞬間は私だけを見てくれている。
そう思ったら、どうしようもなく浮足立って、舞い上がった。
『す、好きですっ!!』
だから、超一方的な告白しか出来なかった。
またしても、え?と目を丸くする彼に、名乗ることも出来ないままクッキーの包みを一方的に押し付けた。
『えっ? ちょっと、君……?』
彼がわずかに戸惑いながら私にそう声をかけてくれた。
それだけで、もう緊張は臨界点を突き抜けた。
その時。
『篤樹、お待たせ~』
聞き覚えのある元部長さんの声が道場の中から聞こえて来て、ドッキ~ンと鼓動のリズムが狂った。
反射的にクルッと背を向けて、逃げ出していた。
『あ、君っ……!!』
彼が呼び止める声に、振り向くことも出来ないまま……。