俺様黒王子とニセ恋!?契約
半分喧嘩腰の金子さんの言葉に、会議中だと言うのにどっと笑い声が交じる。
きっと篤樹も、それを想定して金子さんの名を口にしたはずだ。
互いに認め合った二人だから、阿吽の呼吸で視線が宙でぶつかった。
それを見て、私も気づかれないように肩を竦める。
篤樹に言われなくても。
この二人の次のプロジェクトのアシスタントを務めるのは、私しかいない。
会議が終わって、それぞれの課員が会話を交わしながら会議室を出て行く。
それを見送りながら、私も書類をテーブルに置いたまま、使った機材を片付けた。
一度大きく会議室を見渡してから、一番最後に廊下に出る。
途端に……。
「澪」
横から呼び止められて、一瞬ビクッと身体を震わせた。
「あ、篤樹っ……!?」
思わず、辺りを見回す。
けれど、目に映る範囲に、人影は見当たらない。
無意識にホッと息を吐いて、それから篤樹を咎めるように見上げる。
「またよろしく」
当然のようにそう言われて、私はそっと肩を竦めた。
「……私だって、他の仕事もあるんだから……」
素直に頷くのは悔しくて、思わずそうボソッと口にした。
あれ?と短い声が降って来る。
「なんだ。じゃあ、今回は不参加?」
結構呆気なくそう言われて、グッと言葉に詰まる。
きっと篤樹も、それを想定して金子さんの名を口にしたはずだ。
互いに認め合った二人だから、阿吽の呼吸で視線が宙でぶつかった。
それを見て、私も気づかれないように肩を竦める。
篤樹に言われなくても。
この二人の次のプロジェクトのアシスタントを務めるのは、私しかいない。
会議が終わって、それぞれの課員が会話を交わしながら会議室を出て行く。
それを見送りながら、私も書類をテーブルに置いたまま、使った機材を片付けた。
一度大きく会議室を見渡してから、一番最後に廊下に出る。
途端に……。
「澪」
横から呼び止められて、一瞬ビクッと身体を震わせた。
「あ、篤樹っ……!?」
思わず、辺りを見回す。
けれど、目に映る範囲に、人影は見当たらない。
無意識にホッと息を吐いて、それから篤樹を咎めるように見上げる。
「またよろしく」
当然のようにそう言われて、私はそっと肩を竦めた。
「……私だって、他の仕事もあるんだから……」
素直に頷くのは悔しくて、思わずそうボソッと口にした。
あれ?と短い声が降って来る。
「なんだ。じゃあ、今回は不参加?」
結構呆気なくそう言われて、グッと言葉に詰まる。