俺様黒王子とニセ恋!?契約
低いけれど良く通る篤樹の声が会議室に響いて、営業部・営業企画部の面々がレジュメを捲る。
私も同じ行動をしながら、アシスタントの女の子にそっと目を向けた。
きっと彼女も篤樹に見惚れて、上の空になっていたんだろうなあ……と思う。
彼女は営業部でも指折りの『可愛い』女子社員として、うちの部でも有名な橋本さんだ。
篤樹が高校時代に付き合っていた彼女とはほんのちょっと路線が違うけど、少なくとも私よりはずっと篤樹にお似合いだ。
そう思うと、ますます居たたまれない思いに駆られる。
どう考えても『私』じゃいけない。
心底からそう思うけれど、あんな可愛い橋本さんでも、『同じ会社』と言うだけで本気の相手にはしてもらえない。
この会社の社員でいる限り、誰もが恋愛対象外。
私は現状に甘んじるべきなのか……なんて、らしくない葛藤に陥る。
いやいや……。でも、普通に考えておかしいだろう、と気持ち鎮めた。
もしもバレそうになったら速攻終わらせるなんて。
そんなの、どう考えても恋じゃない。
そうわかっていて、始めるなんて出来ない。
だから週明けからずっと、私は篤樹からのLINEも社内メールも無視して来た。
顔を合わさずには済ませられない。
そうわかっていたし、悪あがきなのは重々承知で。
私も同じ行動をしながら、アシスタントの女の子にそっと目を向けた。
きっと彼女も篤樹に見惚れて、上の空になっていたんだろうなあ……と思う。
彼女は営業部でも指折りの『可愛い』女子社員として、うちの部でも有名な橋本さんだ。
篤樹が高校時代に付き合っていた彼女とはほんのちょっと路線が違うけど、少なくとも私よりはずっと篤樹にお似合いだ。
そう思うと、ますます居たたまれない思いに駆られる。
どう考えても『私』じゃいけない。
心底からそう思うけれど、あんな可愛い橋本さんでも、『同じ会社』と言うだけで本気の相手にはしてもらえない。
この会社の社員でいる限り、誰もが恋愛対象外。
私は現状に甘んじるべきなのか……なんて、らしくない葛藤に陥る。
いやいや……。でも、普通に考えておかしいだろう、と気持ち鎮めた。
もしもバレそうになったら速攻終わらせるなんて。
そんなの、どう考えても恋じゃない。
そうわかっていて、始めるなんて出来ない。
だから週明けからずっと、私は篤樹からのLINEも社内メールも無視して来た。
顔を合わさずには済ませられない。
そうわかっていたし、悪あがきなのは重々承知で。