俺様黒王子とニセ恋!?契約
「なんで無視すんの?」
私の言葉など全く意に介さず、篤樹が眉間に皺を寄せて、私を重いドアに追い詰めた。
「いろいろアレだけど、付き合うって宣言した相手にこれほど袖にされると、ムカつくんだけど」
「つ、付き合うなんて、私、言ってない!」
言い返す声がまたしても響き渡って、私は自分の口を両手で塞いだ。
それを聞いて、篤樹が、あれ?と首を傾げる。
「俺の身体、気に入らなかった?」
「はっ……!?」
「あんまり言われたことないからすげえ悔しいけど。……澪、満足しなかった?」
ねめつけるような上目遣いの視線に晒されて、私はグッと言葉に詰まる。
満足……かどうかは経験不足で比較のしようもないけれど、それを答えるわけにはいかない。
無言を貫く私を存分に観察した後、篤樹はニッと人の悪い笑みを浮かべた。
「……そこは心配しなくて良さそうだ」
カアッと頬が赤らむのがわかる。
悔し紛れに、私は限界ギリギリまで顔を背けて、篤樹を視界から遮断した。
「責任とか考えなくていいから。お互いもう大人なんだし、お酒に流されての失敗をいちいち気にしてたら……」
虚勢を張ってそうは言っても、もちろん割り切れないのは私の方だ。
だけど、バレそうになったら『速攻終わらせる』ドライな関係なんて、私には絶対無理だ。
だから、最初から始めない。
そう決めて、篤樹の誘いをシャットアウトし続けた。
私の言葉など全く意に介さず、篤樹が眉間に皺を寄せて、私を重いドアに追い詰めた。
「いろいろアレだけど、付き合うって宣言した相手にこれほど袖にされると、ムカつくんだけど」
「つ、付き合うなんて、私、言ってない!」
言い返す声がまたしても響き渡って、私は自分の口を両手で塞いだ。
それを聞いて、篤樹が、あれ?と首を傾げる。
「俺の身体、気に入らなかった?」
「はっ……!?」
「あんまり言われたことないからすげえ悔しいけど。……澪、満足しなかった?」
ねめつけるような上目遣いの視線に晒されて、私はグッと言葉に詰まる。
満足……かどうかは経験不足で比較のしようもないけれど、それを答えるわけにはいかない。
無言を貫く私を存分に観察した後、篤樹はニッと人の悪い笑みを浮かべた。
「……そこは心配しなくて良さそうだ」
カアッと頬が赤らむのがわかる。
悔し紛れに、私は限界ギリギリまで顔を背けて、篤樹を視界から遮断した。
「責任とか考えなくていいから。お互いもう大人なんだし、お酒に流されての失敗をいちいち気にしてたら……」
虚勢を張ってそうは言っても、もちろん割り切れないのは私の方だ。
だけど、バレそうになったら『速攻終わらせる』ドライな関係なんて、私には絶対無理だ。
だから、最初から始めない。
そう決めて、篤樹の誘いをシャットアウトし続けた。