俺様黒王子とニセ恋!?契約
「次の会議があるんだ。今日はこれで。四宮さん。この次の日程は、スケジューラー飛ばしておいて」
「……はい」
私の返事を聞いて、テーブルに広げた資料をかき集めると、金子さんは会議室を出て行った。
その背中を見送って、私も大きく肩で息をした。
さっきから私をジッと見据えている篤樹の視線に意識が向く。
とても居心地悪くて、私も自分のデスクに戻ろうとした。
そんな私を。
「澪」
篤樹が低い声で呼び止めた。
その声色に、ドキッとしてしまう。
「……片桐さん。オフィスでその呼び方、止めて下さい」
「大人しいから意見を求めても委縮するだけ。そんな言い方されて、悔しくないのか」
フッと息を吐きながら、篤樹が長い足を組み替えた。
それを横目に、私は黙って資料を片付ける。
「俺といる時のお前の方が、ずっといいと思うけど」
「っ……」
サラッと言われた言葉が、思いの外、心に染み入った。
だけど私は、グッと唇を噛んで俯いた。
「……大人しそうな割に結構遊んでる、生意気な私が?」
篤樹は黙ったまま、目線だけ横に逸らした。
私は、資料の上でギュッと手を握り締める。
それならば。
篤樹が『いい』と言ってくれた私は本当の私じゃない。
遊ぶどころか全然不慣れだ。
それでも篤樹に否定出来ないのは、彼が私を『そういう女』だと思ってラブゲームの相手にしたと、わかっているからだ。
「……はい」
私の返事を聞いて、テーブルに広げた資料をかき集めると、金子さんは会議室を出て行った。
その背中を見送って、私も大きく肩で息をした。
さっきから私をジッと見据えている篤樹の視線に意識が向く。
とても居心地悪くて、私も自分のデスクに戻ろうとした。
そんな私を。
「澪」
篤樹が低い声で呼び止めた。
その声色に、ドキッとしてしまう。
「……片桐さん。オフィスでその呼び方、止めて下さい」
「大人しいから意見を求めても委縮するだけ。そんな言い方されて、悔しくないのか」
フッと息を吐きながら、篤樹が長い足を組み替えた。
それを横目に、私は黙って資料を片付ける。
「俺といる時のお前の方が、ずっといいと思うけど」
「っ……」
サラッと言われた言葉が、思いの外、心に染み入った。
だけど私は、グッと唇を噛んで俯いた。
「……大人しそうな割に結構遊んでる、生意気な私が?」
篤樹は黙ったまま、目線だけ横に逸らした。
私は、資料の上でギュッと手を握り締める。
それならば。
篤樹が『いい』と言ってくれた私は本当の私じゃない。
遊ぶどころか全然不慣れだ。
それでも篤樹に否定出来ないのは、彼が私を『そういう女』だと思ってラブゲームの相手にしたと、わかっているからだ。