俺様黒王子とニセ恋!?契約
飄々と言い放って、口角を軽く上げて微笑む篤樹。
確かに、ここ十日ほどは篤樹も忙しくて、プライベートを二人で過ごす時間はなかった。
それに、私はホッとして、心のどこかで切なくなって。
矛盾しているのは私だけじゃない。
篤樹も同じだ。
篤樹は何故だか、こうやって仕事で顔を合わせるタイミングで二人になる隙を狙って、仕掛けて来るのだ。
バレそうになったら速攻終わらせる。
そう言って勝手に始めたのは篤樹なのに。
――もしかして。
自分の胸の内をしっかり考えながら思い起こしてみて、そこに気付いてハッとした。
むしろ篤樹は、『バレそう』なシチュエーションを創り出そうとしている……とか。
誠実ぶって『責任』なんて言ったけれど、責任を続けるのはほんのわずかな時間。
社内恋愛どうこうも、ただの伏線。
本当はすぐに終わらせるつもりで、オフィスで近付いて来るのも、わざと……とか?
そんなの、嫌だ……!!
そう思う私も更に矛盾している。
自分の思考にグルグルと巻き込まれて黙り込む私に、篤樹は小首を傾げた。
隙あり!とでも言うように、再び私に顔を近付けて来る。
確かに、ここ十日ほどは篤樹も忙しくて、プライベートを二人で過ごす時間はなかった。
それに、私はホッとして、心のどこかで切なくなって。
矛盾しているのは私だけじゃない。
篤樹も同じだ。
篤樹は何故だか、こうやって仕事で顔を合わせるタイミングで二人になる隙を狙って、仕掛けて来るのだ。
バレそうになったら速攻終わらせる。
そう言って勝手に始めたのは篤樹なのに。
――もしかして。
自分の胸の内をしっかり考えながら思い起こしてみて、そこに気付いてハッとした。
むしろ篤樹は、『バレそう』なシチュエーションを創り出そうとしている……とか。
誠実ぶって『責任』なんて言ったけれど、責任を続けるのはほんのわずかな時間。
社内恋愛どうこうも、ただの伏線。
本当はすぐに終わらせるつもりで、オフィスで近付いて来るのも、わざと……とか?
そんなの、嫌だ……!!
そう思う私も更に矛盾している。
自分の思考にグルグルと巻き込まれて黙り込む私に、篤樹は小首を傾げた。
隙あり!とでも言うように、再び私に顔を近付けて来る。