俺様黒王子とニセ恋!?契約
三回目のプロジェクト会議は、前回の重苦しさを存分に引きずったままで始まった。
「……片桐。もう大枠だけでも決めないと、広報部にも報告出来ない。どんなに大がかりなことやったとしても、広報活動が遅れれば、意味はないんだぞ」
理性に任せて、窘めるように開口一番でそう言った金子さんに、篤樹も渋い顔をしている。
結局いつも、どのプロジェクトもこうなる。
第一線で顧客層に向き合う営業部には申し訳ないけれど、企画出来ない以上、プロジェクトは進まないからだ。
それは理解しているんだろう。
篤樹は一瞬俯いてギュッと唇を噛んだ。
それを見て、金子さんが自分の案を記したレジュメを差し出そうとした。
その時。
「待って下さい」
私が止めた。
これまで二回の会議でも、そしてそれ以前もこんな状況で口を挟んだことのない私の声に、金子さんは驚いて目を見開いた。
篤樹もつられるように私に視線を流す。
「どちらの意見も充足出来るわけじゃないんですが。この間、片桐さんが中立案でもいいと仰ったので、考えてみました」
プロジェクトの中心二人を前に緊張しながら、私は会議の前、ギリギリまでかかって作った企画書を二人の前に差し出した。
篤樹に言われた通り、四年目になった今、甘えてばかりの仕事で満足してはいけないと思った。
何よりも……私が一目惚れしたあの時そのままの篤樹が、今も私の前で真剣に取り組む仕事がある。
そのプロジェクトのアシスタントに、彼が私を指名した。
その意味を、私なりによく考えてみた。
「……片桐。もう大枠だけでも決めないと、広報部にも報告出来ない。どんなに大がかりなことやったとしても、広報活動が遅れれば、意味はないんだぞ」
理性に任せて、窘めるように開口一番でそう言った金子さんに、篤樹も渋い顔をしている。
結局いつも、どのプロジェクトもこうなる。
第一線で顧客層に向き合う営業部には申し訳ないけれど、企画出来ない以上、プロジェクトは進まないからだ。
それは理解しているんだろう。
篤樹は一瞬俯いてギュッと唇を噛んだ。
それを見て、金子さんが自分の案を記したレジュメを差し出そうとした。
その時。
「待って下さい」
私が止めた。
これまで二回の会議でも、そしてそれ以前もこんな状況で口を挟んだことのない私の声に、金子さんは驚いて目を見開いた。
篤樹もつられるように私に視線を流す。
「どちらの意見も充足出来るわけじゃないんですが。この間、片桐さんが中立案でもいいと仰ったので、考えてみました」
プロジェクトの中心二人を前に緊張しながら、私は会議の前、ギリギリまでかかって作った企画書を二人の前に差し出した。
篤樹に言われた通り、四年目になった今、甘えてばかりの仕事で満足してはいけないと思った。
何よりも……私が一目惚れしたあの時そのままの篤樹が、今も私の前で真剣に取り組む仕事がある。
そのプロジェクトのアシスタントに、彼が私を指名した。
その意味を、私なりによく考えてみた。