俺様黒王子とニセ恋!?契約
「早速申し入れして、合同プロジェクトを起ち上げよう。広報への情報伝達はどうなってる?」
「あちらもまだ正式な企画発表が出来ない状態なので、自社の広報への報告はしてないそうです」
「よし。急がないとな」
いつも厳しい金子さんの強い瞳が、私に『良くやった』と言ってくれている。
そっと窺い見ると、篤樹も満足そうな瞳を私に向けてくれていた。
これまで二回の会議が嘘のように、その後は会議室の利用時間ギリギリまで、白熱した議論が交わされた。
生き生きと仕事をする篤樹の姿に心が洗われる気がして、ただただ嬉しかった。
会議が終わると、いつもと同じように金子さんが真っ先に会議室を出て行った。
残された私と篤樹は無言のまま。
だけど、篤樹の方が先に私に向かって声を発した。
「……やるじゃん」
短い称賛の言葉に、私は胸を張って微笑んで見せた。
「でも、まあ、たまたまだったんだけど……」
「運も実力のうちだよ」
シレッとした篤樹の言葉も、どうしようもなく嬉しい。
そして、私は一息ついてから、隠すように持ち込んでいた紙袋を、思い切って篤樹に差し出した。
「ん? 何?」
手にした包みを眺めてから、篤樹が私に質問した。
私は俯いて返事をする。
「篤樹、ここんとこずっと休日出勤してたでしょ? 疲れてるだろうなって思ったから」
私の言葉に促されるように、篤樹が包みを開けて確認する。
「あちらもまだ正式な企画発表が出来ない状態なので、自社の広報への報告はしてないそうです」
「よし。急がないとな」
いつも厳しい金子さんの強い瞳が、私に『良くやった』と言ってくれている。
そっと窺い見ると、篤樹も満足そうな瞳を私に向けてくれていた。
これまで二回の会議が嘘のように、その後は会議室の利用時間ギリギリまで、白熱した議論が交わされた。
生き生きと仕事をする篤樹の姿に心が洗われる気がして、ただただ嬉しかった。
会議が終わると、いつもと同じように金子さんが真っ先に会議室を出て行った。
残された私と篤樹は無言のまま。
だけど、篤樹の方が先に私に向かって声を発した。
「……やるじゃん」
短い称賛の言葉に、私は胸を張って微笑んで見せた。
「でも、まあ、たまたまだったんだけど……」
「運も実力のうちだよ」
シレッとした篤樹の言葉も、どうしようもなく嬉しい。
そして、私は一息ついてから、隠すように持ち込んでいた紙袋を、思い切って篤樹に差し出した。
「ん? 何?」
手にした包みを眺めてから、篤樹が私に質問した。
私は俯いて返事をする。
「篤樹、ここんとこずっと休日出勤してたでしょ? 疲れてるだろうなって思ったから」
私の言葉に促されるように、篤樹が包みを開けて確認する。