俺様黒王子とニセ恋!?契約
どこで誰が見てるか、聞いてるかわからない。
篤樹が仕事で私を指名した。
一緒に仕事をする私を褒める。
それだけで橋本さんの疑いを招くのだ。
もっと意識的に隠さないと、社内恋愛なんてどこでバレるかわからないのに。
篤樹が、私だけと言ってくれた。
それがただ嬉しかった。
沙穂が言ってたように、篤樹の態度は本当は誠実さの表れなのかもしれない。
そう感じて、篤樹に甘えてみたくなった。
そんな私らしくない考えが、ほんの一瞬でも油断に繋がった。
「バレそうになったら、終わりだって言ったくせに……」
唇の先で呟いた声は小さくて、篤樹には届かなかったようだ。
ん?と首を傾げて、私が追いつくのを待っている。
私は黙って首を横に振って、大きく二歩歩いて篤樹の隣に並んだ。
「……片桐さん、どうして社内恋愛否定派なんですか?」
思い切って、そう訊ねる。
頭上で、篤樹が苦笑した。
「もう戻ってる」
「戻します。……聞いちゃいけないことですか?」
篤樹が仕事で私を指名した。
一緒に仕事をする私を褒める。
それだけで橋本さんの疑いを招くのだ。
もっと意識的に隠さないと、社内恋愛なんてどこでバレるかわからないのに。
篤樹が、私だけと言ってくれた。
それがただ嬉しかった。
沙穂が言ってたように、篤樹の態度は本当は誠実さの表れなのかもしれない。
そう感じて、篤樹に甘えてみたくなった。
そんな私らしくない考えが、ほんの一瞬でも油断に繋がった。
「バレそうになったら、終わりだって言ったくせに……」
唇の先で呟いた声は小さくて、篤樹には届かなかったようだ。
ん?と首を傾げて、私が追いつくのを待っている。
私は黙って首を横に振って、大きく二歩歩いて篤樹の隣に並んだ。
「……片桐さん、どうして社内恋愛否定派なんですか?」
思い切って、そう訊ねる。
頭上で、篤樹が苦笑した。
「もう戻ってる」
「戻します。……聞いちゃいけないことですか?」