俺様黒王子とニセ恋!?契約
ああ……。居たたまれない。
どう聞いても、『彼じゃない人と勢いでシちゃった話』で、私にも身につまされるものがある。
頼むから、筒抜けになってしまう場所で、普通の顔してこんな話しないでほしい。
聞いてるうちにどんどん赤裸々になって行く話題から、私は徐々に隠れるように顔を背けていた。
その時。
「……際どいこと話してんな~……」
私の向かい側の椅子がガタッと音を立てて引かれ、そこに篤樹がドカッと座った。
そして、少し身を屈めて私に小声でそう呟く。
ギョッとして、思わずしゃきっと背筋を伸ばしてしまった。
「あっ……あつっ……」
「何? 聞き耳立てて俺とのこと思い出してたとか?」
「ちょっ……!」
ニヤッと意地悪に笑う篤樹に慌てて、私はキョロキョロと辺りを見回した。
篤樹はそんな私を面白そうに眺めて、シートに深く背を預ける。
「金子さん、至急の呼び出し食らったから先戻るって。思いがけず二人になったな」
なんとも愉快そうにクックッと小気味よく肩を揺する篤樹に、なんとなく隣のOLが視線を向けたのが私にも感じられた。
そして、次の瞬間。
「……っ」
彼女たちが大きく息をのんだのがわかった。
どう聞いても、『彼じゃない人と勢いでシちゃった話』で、私にも身につまされるものがある。
頼むから、筒抜けになってしまう場所で、普通の顔してこんな話しないでほしい。
聞いてるうちにどんどん赤裸々になって行く話題から、私は徐々に隠れるように顔を背けていた。
その時。
「……際どいこと話してんな~……」
私の向かい側の椅子がガタッと音を立てて引かれ、そこに篤樹がドカッと座った。
そして、少し身を屈めて私に小声でそう呟く。
ギョッとして、思わずしゃきっと背筋を伸ばしてしまった。
「あっ……あつっ……」
「何? 聞き耳立てて俺とのこと思い出してたとか?」
「ちょっ……!」
ニヤッと意地悪に笑う篤樹に慌てて、私はキョロキョロと辺りを見回した。
篤樹はそんな私を面白そうに眺めて、シートに深く背を預ける。
「金子さん、至急の呼び出し食らったから先戻るって。思いがけず二人になったな」
なんとも愉快そうにクックッと小気味よく肩を揺する篤樹に、なんとなく隣のOLが視線を向けたのが私にも感じられた。
そして、次の瞬間。
「……っ」
彼女たちが大きく息をのんだのがわかった。