俺様黒王子とニセ恋!?契約
「四宮さん。ちょっと可哀想だけど……。同じプロジェクトチームにいるなら尚更。篤樹は君に本気にはならないよ」
静川先輩は、店員さんの背中をぼんやりと見送りながら、ボソッと呟いた。
「だから、四宮さんも。篤樹と仕事していくなら、篤樹の気持ちを望むよりも、割り切るか別れるか決めた方がいい」
淡々と、あえて無感情を貫くように言われて、心に詰まった。
膝の上で握り締めた手に、更にギュッと力を込める。
篤樹の親友の静川先輩にまでそう言われて、私はやっぱり傷ついた。
それでも、その理由を聞かずにへこんでる場合じゃない。
『割り切るか別れるか』
私はちゃんと覚悟を決めた。
それなのに、告げる前に一方的に終わりにされた。
そんなんじゃ心のやり場がない。
「……どうしてですか?」
グッと胸を押さえながら、勢いよく顔を上げた。
「篤樹、言ってました。食わず嫌いじゃないって。前の会社では、付き合ってた彼女がいたんですよね?」
ついそう畳み掛けて、軽く腰が椅子から浮き上がってしまう。
興奮していく私とは真逆の静けさで、静川先輩は、テーブルに肘を立てて、顔の前で両手の指を組み合わせていた。
「それは、篤樹の個人的なことだから、俺の口からは言えない。どうしても知りたければ、篤樹本人から聞き出して欲しい」
「……っ」
涼やかにそう窘められて、私は声を飲んだ。
それ以上は何を言っていいかわからず、浮いた腰をスゴスゴと椅子に戻す。
静川先輩は、店員さんの背中をぼんやりと見送りながら、ボソッと呟いた。
「だから、四宮さんも。篤樹と仕事していくなら、篤樹の気持ちを望むよりも、割り切るか別れるか決めた方がいい」
淡々と、あえて無感情を貫くように言われて、心に詰まった。
膝の上で握り締めた手に、更にギュッと力を込める。
篤樹の親友の静川先輩にまでそう言われて、私はやっぱり傷ついた。
それでも、その理由を聞かずにへこんでる場合じゃない。
『割り切るか別れるか』
私はちゃんと覚悟を決めた。
それなのに、告げる前に一方的に終わりにされた。
そんなんじゃ心のやり場がない。
「……どうしてですか?」
グッと胸を押さえながら、勢いよく顔を上げた。
「篤樹、言ってました。食わず嫌いじゃないって。前の会社では、付き合ってた彼女がいたんですよね?」
ついそう畳み掛けて、軽く腰が椅子から浮き上がってしまう。
興奮していく私とは真逆の静けさで、静川先輩は、テーブルに肘を立てて、顔の前で両手の指を組み合わせていた。
「それは、篤樹の個人的なことだから、俺の口からは言えない。どうしても知りたければ、篤樹本人から聞き出して欲しい」
「……っ」
涼やかにそう窘められて、私は声を飲んだ。
それ以上は何を言っていいかわからず、浮いた腰をスゴスゴと椅子に戻す。