オレンジライト〜明るい日々へ〜
第1章~異変~
痛感した恐怖
季節は肌寒くなってきた秋。
あたりはもうすっかり夜。
「お疲れ様でした!」
私がオーナー兼店長の谷岡安那(たにおか あんな)さんに言う。
「はい、お疲れ様ー!」
谷岡さんが笑顔で言った。
いつものように、花屋さんでのバイトが終わりこれから家に帰る。
「舞梨奈ちゃん!」
利香子さんの声が後ろから聞こえた。
「あ、利香子さん。」
仕事終わりの利香子さんと偶然会った。
「今、仕事終わったの?」
私が聞いた。
「うん。今日やっと1つの事件が解決したの。」
「そっかー。良かったね。なんか私も嬉しい。」
お互い忙しくてあまり会えてなかったこともあり、会話が弾んだ。
その時だった。
「うっ…」
私の左腕に、突き刺さるような痛みがあった。
そう、私の左腕は後ろから帽子を深く被った男に刃物で刺されたんだ。
私は左腕をおさえて、しゃがむ。