オレンジライト〜明るい日々へ〜
だけど、手がかりになるような映像は無かった。
しばらくして、私は病室に戻ろうとし、病室の扉に手をかけ開くと、そこにはお兄ちゃんと涼也が微笑んでいた。
最初は驚いたけど、すぐに意味は分かった。
"辛いときほど仲間と一緒にいる方がいい"
お兄ちゃんが、小さい時から私に言い聞かせてきた言葉だ。
私も微笑んで、病室に入った。
翌日。
私は琴音さんの病室へ行って、楽しく話をしていた。
琴音さんの顔色は良く、ここ何日か中庭へ散歩しているらしい。
「そしたら、商店街のおばあちゃん、ちょこちょこ走って逃げてっちゃって~。」
琴音さんが笑い話をしてくれた。
その時間、事件のことも忘れることができていた。
その頃。
特捜班は真壁たちに共犯者がいないか取り調べをしていたが、真壁は終始口を閉ざしている。