オレンジライト〜明るい日々へ〜
「うっ…。」
割れたガラスを避けたはずなのに、ガラスの少し大きな破片が私の左腕の傷口に突き刺さった。
それ以外にも左腕を2ヶ所ガラスで切ってしまった。
相当な痛み。
指先と服の袖口から床へと血がポタポタと落ちていく。
「舞梨奈ちゃん!」
麻衣さんが叫ぶ。
「橋本もうやめろ!」
藤沢先生が言った。
「せめて止血だけでも。」
麻衣さんが言う。
「妙な行動するなと言っただろ。こいつは、このままあの世行きになればいいんだ。」
橋本先生が言った。
みんなの目が強ばる。
「舞梨奈ちゃんを昏睡させ、一時心肺停止にまで追い込んで、一歩間違えれば命を落としていたかもしれない。しかもそのショックで記憶喪失にまでさせた。なのに、こんなことしてあなたよくも平気でいられるわね!」
水野先生は言った。
「橋本!お前は患者を救う救命医じゃなかったのか?3年前、お前が救命救急センターで初勤務の日。"救える命があれば、どんな小さな可能性であろうと絶対に助けたい"そう俺に言っただろ。」
藤沢先生が真剣な顔をして言った。