オレンジライト〜明るい日々へ〜



「舞梨奈ちゃんを放して。」


麻衣さんも言った。


「うるせぇ!そんなこと言って、俺をやめさせようなんて寸法か知らねえが、その手には乗らないぞ!」


橋本先生が少し大きな声で言った。


それから数十分が経った。


血は出る一方だし、痛みが増す。



「もう舞梨奈ちゃんを放して。」


水野先生が言った。



「ほう。」


橋本先生がつぶやく。



「おい、あっち行け。」


橋本先生は私に言った。


「え…。」


私は少し驚いた。


「早く行けって言ってんだろ。」

橋本先生は刃物を向けながらそう言った。


私の反対側にいる藤沢先生たちは、私が来るのを構えている。


藤沢先生は少し前に出ていて、水野先生と麻衣さんを守るように、手を横に出していた。


そして私はゆっくりと麻衣さんたちの所へ向かったその時。


「舞梨奈ちゃん!」


藤沢先生の声に私は後ろへ振り向くと、橋本先生が刃物を持って私にふりかかろうとしていた。


私が目をつぶり、開いた瞬間、藤沢先生が刃物を持った橋本先生の腕を力強く押していた。


「先生…。」


私がつぶやく。


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