オレンジライト〜明るい日々へ〜


「舞梨奈ちゃん下がって!」

藤沢先生が必死になった声で言い、私は下がった。


「「舞梨奈ちゃん!」」


私の名前を呼んだ麻衣さんと水野先生が私の背中をさすり、傷口を軽く対処してくれた。


藤沢先生は、刃物を持ったままの橋本先生と闘っていた。


下手すれば藤沢先生が怪我してしまう…。


そう思った瞬間、廊下から誰かが走ってくる足音が聞こえ、そこに目を向けると、有村さんと瀬崎さんが走ってきた。


「何してるんだ!」


有村さんが言うと、先生たちは闘っていたのをやめた。


「舞梨奈ちゃん!」

瀬崎さんが驚いた。

「近づくな!近づいたら、あいつを殺す。」


橋本先生が刃物を向けそう言った。

「真壁が全て証言した。電話で真壁に殺人計画を引き継ぐと言ったんだな。
舞梨奈ちゃんの点滴の中にインスリンを混入し、インスリンの過剰摂取で急変させ昏睡状態にまで陥らせた。そして、混入させたインスリンが入っていた注射器に舞梨奈ちゃんの指紋をつけ、HCU病棟内のゴミ箱に捨ててあくまで舞梨奈ちゃんが自分でやったかのように見せかけた。そうだな?」


有村さんが真剣な顔をして言った。
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